<シリーズ 信仰の山に登る「西国三十二番霊場 観音正寺」> 

繖山(きぬがさやま)

(日 程) 2009年3月18日(水) 
(コ−ス) JR安土駅〜桑実寺〜繖山山頂〜観音正寺〜繖山山頂〜雨宮龍神社〜十一面岩屋観音〜JR能登川駅
       (ワンポイントアドバイス)
       観音正寺へは三角点のある繖山山頂からピストンか、または観音正寺の車道を下ると繖山山頂に通ずる山道の分岐を取る。

 琵琶湖の湖東の繖山。別名観音寺山とも言われ、聖徳太子の創建と伝えられる観音正寺が建ち、中世には城郭も築かれた。由来は、貴人に差しかざす衣蓋(きぬがさ)のようにふんわりした美しい山容から名付けられたと言われている。

 JR安土駅から30分あまり歩けば桑実寺(くわのみでら)であるが、集落を過ぎた後の石段(400段)は、久しぶりの山歩きの私にはきつかった。天台宗の寺院で本尊は薬師如来、開山は定恵(じょうえ)、西国薬師四十六霊場である。寺伝では、天智天皇の四女、阿閇(あべ)皇女(元明天皇)の病気回復を僧に祈らせたところ、琵琶湖から薬師如来が降臨し、阿閇皇女の病気を治して去り、天智天皇の勅願により、白鳳6年(677年)に創建したと伝えられている。本堂(南北朝時代の建立で入母屋造り檜皮葺)、桑実寺縁起絵巻が重要文化財である。

桑実寺の石段と山門   檜皮葺が美しい本堂 

繖山山頂は、二等三角点(標高432.54m)があり、汗ばむほどの良い天気で琵琶湖・比良山系が一望出来るはずが、黄砂の影響か見られなかった。
 
三角点のある繖山山頂にて 繖山山頂から北向き観音ルートを望む

 観音正寺は、西国三十二番札所である。天台宗で本尊は千手千眼観音菩薩、開基については聖徳太子が人魚の哀願によって寺をひらいたと
伝わり 、推古天皇13年(605年)に創建された。この伝説にちなんだ人魚のミイラと伝わっていた寺宝と重要文化財の千手観音立像が平成5年に本堂とともに焼失してしまったが、平成16年に再建されている。(私は十数年前に札所巡りは終えているが、古い仏閣の様だったとの記憶がある。)

観音正寺の山門前の道路沿いにねずみ岩と呼ばれるおもしろい岩があった。近くには奥の院の岩屋がある。

観音正寺の本堂 ねずみ岩(右が頭部)

 繖山から猪子山の尾根筋に登り返し、霞んで遠望がきかないが3月にしては上々の山行日和のなかを雨宮龍神社を目指して尾根筋を歩く。
尾根筋縦走の最後は、四等三角点(267.52m)のある猪子山で、山頂直下にあるお堂の奥に岩屋があり、石造の北向岩屋十一面観音と呼ばれている。奈良時代に安置されたものと言われ、古くから土地の人々の信仰を集めている。 下山道の周囲に猪子山古墳群があり、古代人は奇岩・怪石に対する崇拝が盛んだったのか!大きな岩船で琵琶湖を渡ってきたとか!・・・・昔々の話も捨てたものではないですね。 

猪子山古墳の内部 岩舟神社の天の岩舟
     
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