白山・荒島岳

’03/8/2〜5

白山と荒島岳、このあまり離れていない二つの百名山を一挙に登ることを考えるのは、百名山を目指す者として自然であろう。そこで、私達兄弟は、鉄道とバスを利用してこの計画を実行した。
8月2日、大阪を夜行急行で発ち、翌日の3時18分に金沢に到着、5時30分発の白山登山バスで別当出合へ、天気は晴れ、8時20分登山開始、砂防新道を多くの登山者と数珠つなぎとなって登る。甚之助避難小屋を経て南竜道の分岐までくると、南竜ケ馬場への道は人が急にまばらになる。乱れ咲く花々を見ながら水平道を歩き、南竜山荘に11時50分に到着。テントを設営し、昼食の後アタックザックで白山(御前峰)を目指す。岩でゴロゴロしたトンビ岩コースを通り、クロユリとコバイケソウの咲く室堂に至る。白山奥宮から伸びる広い参道を登り、15時10分白山頂上(2,702m)に立つ。御池をめぐって室堂に戻り、展望歩道を下ってテントに帰ったのは18時であった。

白山山頂より御池を望む

4日、晴れ、5時35分出発、別山〜三ツ峰〜鳩ケ湯へのコースは、交通の便が悪いせいか、夏場でも人が少なく静かな山歩きを楽しめる。ルートは一旦、赤谷と呼ばれる沢に下り、対面の山をジグザグに登り返すと1時間ほどで油坂の頭に出る。ここから豪華絢爛、花の稜線歩きが始まる。まずは、ニッコウキスゲの群落が私たちを迎え、ハクサンフウロ、ハクサンチドリが東側の急斜面に、次にハクサンコザク ラ、ハクサンイチゲ、シナノキンバイ、イワイチョウ・・・が咲く天池に着く。天の池とはうまい命名だ。ここはまさに天上のオアシスだ。

別山尾根のお花

北を振り向けば、縦走路の至るところから御前峰が望め、それは別山に向かって遠ざかっていく私達兄弟を、いつまでも見送っている母のようだ。8時10分、別山(2,399m)着。快晴のもと、360度の展望を思うままに楽しむ。北に大きく優しい御前峰、南に三ノ峰・二ノ蜂・一ノ峰と続く石撤白道 が延々と伸び、西には、市ノ瀬に下るチブリ尾根が横たわる。

別山から三ノ峰方面を望む

別山平に下ってお花畑を歩き、三ノ峰の避難小屋に到着。内部はきれいに整理整頓されており、管理人の厚意を思うと頭が下がる。こんな地味な活動をしている人こそ真の山を愛する人なのかも知れない。12時30分、六本檜、14時10分、上小池キャンプ場、この日は勝原駅近くの民宿に泊まる。

5日、曇、民宿を5時35分、荒島岳に向けて出発。勝原スキー場に添って登る。
白山登山の疲れからあまりピッチがあがらない。登りばかりでまるでフラットな道がない。でも、ブナ林は特筆に値する。根元に腰をおろして疲れた身体を休めると、ブナの葉ずれの音だけが聞こえる。“ここには何もない。でもすべてがある。”そんな思いがよぎるブナの美林である。石楠花平に8時10分、なお、急登が続く、それが山だと言えばそれまでだが、やはりいやになる。
9時10分、荒島岳頂上(1,524m)、ガスっているため自慢の眺望はなし。頂上は広場になっていて、荒島大権現を祭る祠が立っている。たくさんの蜻がのんびり飛んでいる。12時35分、民宿に戻り、風呂に入った後、ビールで白山・荒島岳登頂の祝杯をあげた。

荒島岳頂上にて

だらしない格好で失礼します。 とにかく暑かった!

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